50代既婚男性との婚外恋愛

20代後半女性、50代の部長と婚外恋愛関係になってしまいました。

第6回「傾いていく気持ち」

登場人物はこちらをご参照ください

 

2人だけの2次会

前回の「おやすみなさい」LINEの次の日は、新しく赴任してきた人の歓迎会があり、部長と顔を合わせる予定だった。

あんなことがあった後で初めての対面だから、私もかなりドキドキしていた。

 

飲み会中はあまり話すこともなかったが、途中から部長が私の隣の席に座った。

 

「この後ちょっと会いたいな」と耳打ちしてきたのだ。

私が頷くと、またなんでもない2人に戻った。

 

私も前回のキスの後、色々考えた。

 

もちろん、私が全てを許してしまえば不倫という関係になる。

相手の家族に見つかったらどうする?

慰謝料などの話も聞いたことがあるし。

 

私の性格はよくないと思う。自分の保身のことをメインに考えているのだから。

 

けど、婚外恋愛に興味がないといえば嘘になる。

相手に不倫され離婚した人も知っているし、不倫相手だったことのある人が多額の慰謝料を請求された例も知っている。

どれもネットで見た話やテレビで聞いた話ではなく、現実世界で出会った人の話であり、結構身近なんだなと恐怖したくらいだ。

 

今までも妻子ある人に誘われたことがないわけではない。

その時は心動かされるような相手ではなかったこともあり、深い関係になることはなかったが。

 

私には結婚願望が少ないこと、色々な人と付き合ってみたいという気持ちがあること、人生においてできれば色々な経験を積みたいことなど、さまざまな感情がこの気持ちを後押ししている。

そして、部長その人の私に対する熱心なアプローチに心動かされていることも確かだ。

 

どこまでも自分のことしか考えない自分に嫌気がさすがどうしようもない。

 

2次会をパスし2人で落ち合うと、部長と私の距離は近かった。

誰もやってこないであろう駅の反対側で、2人で飲み直した。

 

飲み終わると、お酒もあってかもっと距離は近くなった。

手を繋いで歩き、気づけば部長の足はホテルに向かっていた。

夜の10時半くらいだったろうか。

この日も週の真ん中で、当然明日も仕事があり終電までには帰りたいという話をしていた。

 

私はこのまま、この雰囲気を保ちながら部長と2人で会い続けたら、いつか深い関係になるだろうと思っていた。

 

しかし、終電まであと1時間というこの日、

ホテルに行ってさっさと済まして帰ろうみたいなムード0でする行為も私にとっては嫌だった。

 

正式な恋愛と呼べるわけではないのに、せっかくの初めての行為はもっと時間があるときにゆっくり時間をとってしたいと思うのだ。

 

ホテルに向かう足を「やっぱり今日はあと1時間しかないしやめましょう」と止めると部長もすぐに引き返してくれた。

 

でも、「どうせ深い関係になるなら早いほうがいい」と思っているのも私だ。

あまり体の関係なしで会いすぎるのも、タイミングを無くし、ムードを無くすものだと思うから。

 

この一連の流れを部長は「焦らされた方が燃える」と、なぜか興奮気味だったが。

 

近くの駅は大きなビジネス街だったので夜も遅くなってくると人気が少ない。

終電まで後1時間少々。

私たちは駅の近くの人通りが少ないところで、キスをした。何度も。