登場人物は↓こちらを参照。
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前回の歓迎会翌日は会社のメンバー約20人でサッカー観戦をした。
もちろん部長もメンバーの一人だ。
非常に盛り上がる試合運びで、メンバーは約20人と私の知らない人も大勢いたが、みんなで一丸となって応援を楽しんだ。
観戦後は部長から
「会いたいな」と連絡があった。
試合終了後は、さっさと帰るふりをして早々と独りになったらしい。
二次会をしたいという意見も出ていたが、大所帯だったので数人抜けたところで何も問題はない。
私も適当な言い訳をして輪から離れ、部長と合流した。
部長と合流後、みんなに見つからないようにタクシーで私の地元の駅まで移動した。
「〇〇駅って初めて来るよ」
部長は私の住んでいる町と隣接した町に住んでいる。
しかし私が「〇〇駅に住んでいます」というまで、この駅の存在を知らなかったらしい。
なにせ観戦しながらかなり飲んでいたから、部長はすでにかなり酔っぱらっていたしかなり遅い時間になっていた。
居酒屋に入って少しお酒を飲むと
早めにお店を出て、終電までのしばらくを外で過ごした。
抱き合ったり、キスしたり。
「いつか直接触ってみたいな」と言われたながら、
服の上から胸を触られたり。
私の地元にはホテルはないし、部長がかなり酔っていたこともあって、この日は解散となった。
改札前で「1秒だけキスしてほしい」と言われたけど「さすがに恥ずかしい」と言って断った。
「駅でイチャイチャしてるカップルなんて『なにやってんだ』と思ってたけど、自分がやってもなんとも思わないんだよなぁ」
なんて部長は結構わがままなこと言って、笑いながら私を抱きしめた。
部長が改札の向こうに消えていったあと、すぐにLINEがきていた。
「会いたいよ、すぐ」
「もっと時間が欲しい」
「冷たくしてくれてもいい、俺が追いかけるから」
部長の方からグイグイと迫ってくるような内容だ。
私は今までの経験から、一度セックスをしてしまうとこんなに甘い内容の連絡は来なくなり、「俺の女」みたいな雰囲気を醸し出されるものだと思っていた。
そして例によって部長もそうなんだろうと思っていた。
私は
「私の方がもっとあなたを好きになったらどうします?笑」
と聞いてみた。
部長は
「そんな素敵なことが起こり得ますか??」
と言ってきた。
「先のことはわからないので十分にありえると思います」
と私は返した。
私には好意を寄せられるとその人をだんだん好きになる傾向があり、今回もそうなるんだろうと思ったからだ。
「まずは好かれるように全力で頑張ります!」
「そしてあなたを抱いてみたい!」
部長からのド直球に笑ってしまう私。
「今夜はあなたのことばかり考えて眠れない・・・」
というメッセージがきて、この日のやりとりは終わった。
このラブラブなやり取りが体の関係をもっても続くのだろうか。
愛されていると感じるメッセージはとても嬉しく思う。
できればずっと送ってきて欲しい。でも、男性は欲しいものを手に入れた瞬間、適当になる傾向がある(ように思う)。
このメッセージのやり取りの次の日は、土日だったが部長から連絡はなかった。
当たり前かもしれないが、土日の連絡は基本的に取れないし、遊んだりもできないそうだ。
仕方のないことだけど、なんだか悲しいと思った。
部長に家庭があること、家庭を維持していくことは、私と遊ぶことなんかよりも、もちろん大事に決まっている。
大事にしてほしいとも思う。
ただ、
こんなふうに制約のある恋愛は初めてで、私の心が戸惑っていることも確かだった。
甘々なメッセージや想い、苦い苦い現実の制約。
まるでケーキとブラックコーヒーみたいだ。