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一緒に帰る
前回からの週明け、部長はミーティングのためB支店にくることになっていた。
ミーティング時以外、部長は私の隣で作業している。
部長が私のPCにチャットを飛ばしてきた。
「今日、一緒に帰ろう」
「定時で上がって、電車の一番後ろの車両で待ち合わせよう」
定時になると私たちはそれぞれ会社を後にした。
さすがにB支店の近くで一緒にいるのはまずいので、B支店から電車で30分ほどの、お互いが帰りやすい位置にあるターミナル駅で飲むことになった。
このころ、私の中にはまだ部長に対する不信感があった。
何度も好きと言ってくれるけど、都合のいい女にしたいだけかもしれない。
私のことをいいように利用しようてしているだけでは・・・なんていう不安が。
1軒目は居酒屋へ。
部長と奥さんの関係性
私自身は、不倫という関係を持ったことがない。
身近な人で不倫されて離婚した人、既婚者と付き合って慰謝料請求された人など、それなりに見てきた。
部長に奥さんのことをそっと聞いてみた。
正直、相手に「家庭」を感じると一気に冷めそうでなんだか嫌な気持ちもあるけど。
私が聞いた部長と奥さんの関係性を整理してみる。
- 10年以上セックスをしていない。いわゆるセックスレス。
- 相手(奥さん側)が部長に無関心、興味なし。
- 部長にとって奥さんは会社の共同経営者みたいなもの。(=お互いにもう恋愛相手という感じではない。)
- 奥さんのことが嫌いというわけではない。奥さんに対する不満もとくにない。
奥さんはもはやただの同居人、家族の一員ってかんじだろうか。
ちなみに
「私とのことは体目当てじゃないの!!?」と、軽めなトーンで聞いてみたこともある。
その時の回答は
「体の関係はあってもなくてもどっちでもいい。ただ一緒にいてくれて、深瀬さんがふつうにつきあってくれるだけでとっても幸せ!」らしい。
なんか感動してしまった。
体の関係がなくてもいいなんて、私の存在そのもの、私の中身が評価されているようで嬉しかった。
ちなみにこのときのLINEはスクショしているw
ついにホテルへ
私は本当に馬鹿な女だ。
以前から、このまま二人で会っていれば「いつかは体の関係にもなるんだろう」と思っていた。
部長と奥さんの関係を確認して改めて、部長と関係を持ってもいいと思った。
日本の50代の夫婦はほとんどがセックスレスらしい。
どんなに恋愛して結婚しようが、ラブラブな時間は短いものだろうとは思う。
私は結婚経験もなければ同棲経験もないけど、いくら好きな人だろうと20年も一緒に暮らせば「恋人」ではなく「家族」に変わる気持ちは理解できる。
むしろそれは大きな幸せの形だと思う。
部長の奥さん観を聞いて、二人はセックスレスだし部長が奥さんから興味を持たれていないという自覚があるなら奥さん側に非がないとは言えないと思った。
もちろんこの考えは不倫する側の身勝手な言い訳でしかないことは重々承知している。
居酒屋を後にすると、ワインバーへ。
少し距離を縮めて、くっつきながら飲んだ。いい雰囲気になってきた。
ワインバーを出るとホテル街に向かった。
ついにホテルまで来てしまった。
不完全燃焼に終わった夜
お酒を飲んだり、デートしたり、ただ一緒にいるだけでは、相手のことは分からない。
そう、夜を共にして初めて知る相手の側面がある。
驚きと共に面白かったのが、部長が意外と性的にMだったこと。
女性に奉仕したいらしい。
私の方から攻められるのも好きみたいだ。
部長は世間的な立場上、父であり、上司であり、夫である。
もちろん上司としての部分しか知らないが、部下の前では結構恐れられている・・・方だと思う。
そんな人が夜はこんなに弱々しくて乙女なんだと思うと面白おかしい。
数年前に「おっさんずラブ」というドラマが流行ったが、あの時の吉田鋼太郎さんみたいな。部下の前ではデキる上司だけど好きな人の前では乙女になってしまう。
なんとなく近い感じなので「おっさんずラブ」の吉田氏演じる黒澤部長を想像してもらえればいいと思う。
やっとの思いでホテルへ来たわたしたちだったが、問題があった。
部長が酔いすぎていたことと、年齢だ。
なかなかうまく出来ず不完全燃焼な夜に終わった。
若い私は正直満足できていない・・・。
初めてキスした日に「もっと早く、具体的にいうと20年前くらいに深瀬さんに出会いたかった」と部長に言われた。
性生活においても、確かにそう言えるだろうな。